わき目も振らず走る事というのは、 まぁそう難しい事でもなく。 外野の声が気にならなくもないと言えば その通りだけど、とはいえ許容範囲のうちで。 だからちょっと疲れたり多少なりとも傷ついたり なんて当たり前と思えたり。 年を重ねる毎にずうずうしくもなっている のかもしれない。 何が何でもやり遂げようという思いは、 強い意思であって、我侭でもあると思うから。 それでも待ったがかかる時がある。 生きる為のバランスは必要で。 そして走る為には、走る体を作るのも大切で。 もう少しもう少し。騙し騙しの言葉が利かなくなってくる。 あがられない程の焦燥感と苛立ちを隠し持って、 走る為に強くあれと自分をまた蹴り飛ばす。 もういいだろう…尤もだ。 だけどより響く声で囁かれる。まだいけるだろう、と。 …願ってもない。 諦めの悪さは止まらない。
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