快賊日記「funnyface」

2006年08月15日(火) 受け継ぐ命

薄紫の花が咲いていた。
緑もおうおうしく茂り、
空は高く澄んで青く眩しい。
それでもどこか薄暗く、時々涙を落としてく。
そして涙が天と地を結び、地はあの日吸い込んだ
全ての想いを空へ空へと押し上げる。
拝啓、そちらはどうですか。
長く続く時間の刻みは、心を癒してくれますか。
たおやかに穏やかに、あの日から心を開放して
くれますか。あの日まで見ていた夢は何でしたか。
若く健康な若者には、たくさんの希望と
真っ白な未来が約束されていたはず。
奪った全てに怒りを覚え、
失った全てに枯れぬ涙を流した事でしょう。
どれ程の時が経とうとも、取り除けない痛みがある。
知りもしない事実に、私は今年もこうして一人
涙を流す。去っていってしまった人へ。
そして、残され痛みから開放される事なく
毎年同じ涙を流し続ける人へ。
だけど忘れないで欲しい。私たちはあなた達なのだと。
あなた達が生きていればしていただろう恋も夢も
私は必死で頑張ってる。あなた達が夢見たであろう
真っ白な未来を、私も今必死で探している。
決してあなた達の全てがなくなったわけじゃないのだと、
思いだけは続いているのだと知って欲しい。
人は必ず同じ夢を見る。それは永遠に受け継がれていくものだから。
だからどうか、今は穏やかな夢を見て欲しい。
安らかにゆっくりと眠って欲しい。
そう願わずにはいられない、名もない私の祈りを
どうか叶えて欲しい。
どうかどうか痛みを忘れ悲しみを忘れ、安らかに…。


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