いくつも春を迎え何度見ても桜にため息をつく。 桜並木を歩いて仰いで心は癒されていく。 どれだけの年月を重ねてそこに存在するのだろう。 どれくらいの人間を優しく包んで来たんだろう。 人の手で、建物は建てられ壊される。 戦争で、時に天災で。何度も繰り返し作っては 壊され、当然のように建て直される。 それでも自然はそこに変わらず存在しているというのに。 自然の息吹は永久を感じさせるほどにそこにある。 限りを知っている人間には到底及ばない生命力。 桜を仰ぎその上に青を知る。 迷っている暇も戸惑っている暇も無い。 嘘をついている暇だってそれこそない。 求める事に精一杯。それだけの為だけに生きるので 精一杯。無駄はいらない。 そうでなければたどり着けない熱がある。 押さえられない衝動を情熱と呼ぶのだろう。
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