悪戯に、移ろい易い人の心も留まる所を知っている。幾千年の時を重ねても誰もが感嘆の声をあげてしまう存在がそこに永遠の姿を降らせる、積もらせる。焦がれる時代も、そこに失ったよすがも時代のうねりを共に分かつように時に咲き誇り、時に覆い隠し、時に鏡のように映し出す。共に土に還る事を思えば、怖くない寂しくない。土に還るこの身を沈めてなお生きる、その永遠の命を感じる事が出来るならば、ここに自分の証がなくなったとて恐れるものは何もないはず。見上げるそこにこの世界の全ては存在する。