海賊旗をはためかせて、今日も男達は海を行く…男達…? そう、海賊家業はあくまで男の領分。女の立ち入っていい世界ではない。 しかし、いつの時代もどこの世にも男勝りの女は存在する訳で… 名を残した女海賊メアリー・リードとアン・ボニーは男勝り、という 言葉を遙かに越えた気の荒い女達だった。 大海賊時代、女達が海を求めるには男になる必要があった。 男のように装い、戦い、酒が飲めて、女を買う…いや、これは必要なし。 とにかく彼女たちは男になった。船の上では。 逆に言えばそれなりにいたはずの女海賊達の中で、歴史に名を残せた のは男装した者達だけって事。その代表が上にあげた二人の女達。 彼女たちはジャック・ラカムの船で出会い、意気投合し大親友に なったらしいけど、二人の何が凄いってその凶暴さ。 相手の船に乗り込んだり、危険な仕事をする時など、彼女たちほど 大胆不敵で、しかも率先して立ち向かう者はいなかった…と、 キャプテン・ジョンスンに言わしめた程。 彼女たちは好んで血を浴びていたようだ。ま、確かに女の方が 血には強いか…しかし、この異常なまでの武力の強さは何だろう? また、彼女たちのように男装をしてはいなかったけど、 その凶悪さで名の残った女海賊がいた。名をアルビダ。 彼女は最初の女海賊船長の一人で、その船の乗組員は全員女性だった。 それからシナ海を恐怖に陥れた海賊艦隊のキャプテンもチン・シという女性。 結局男も女も関係ないのか、海賊って輩は。 海に浪漫を求めた瞬間から、血塗られた未来が待ってるだけ。 もちろんそこには、宝と自由と刺激がついてくる。 そして最後には死…もちろんそれは男も女も同じ。つかまれば確実に 死刑。罪が重ければ思いほど。罪と罰は共存してるものだから。 …とは言え、例外もあるわけで…母は強しとはよく言ったもの。 メアリーとアンの二人、捕まって死刑判決が出た時に言った言葉が 「妊娠してます」…かくして二人は釈放された。 もちろん散々惚れ込んだジャックへの罵倒は忘れない。 「あんたがだらしなくなきゃ、こんな犬みたいに吊されずにすんだんだよ!」 え?ジャックの方?もちろん処刑されました。男は妊娠出来ないからね。 ま、そんな事もある。好き勝手に生きて、自分のためだけに生きて そしたら、きっとそんな死に方にもなる。それが海賊だ。 とりあえず行けるとこまで行こうか?この旅もきっとそう長くは続かない…。
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