快賊日記「funnyface」

2001年09月14日(金) 欲望、という名の船

1603年、イギリス国王ジェームズ一世はスパニッシュ・メインの血塗られた歴史の
一章を開いた。カリブにおけるプライベーティアの暴走に終止符を打つため、
王はすべての敵船略奪許可状を回収した。しかしこれが酷い結果となる。
たちまちそれに代わって無法なバッカーニアが出現したのである。
彼等は長き海賊達の歴史の中で、もっとも残忍と言われる奴らなのだ。
ま、元々押さえつけられてた人間が反旗を翻したのが、海賊の
始まりみたいなものだから、荒くれ者で当然なんだけど、
しかし彼等はすさまじかった…らしい。
当然後に名を残す海賊達もたくさん現れた。いわゆる英雄と言われる
彼等。海賊の世界では、いかに己の信念を貫き抜き、道を切り開き、
成功を収めたか…が、英雄と言われる鍵。こう言うと格好いいけど、
ようは、いかに己の欲望のために敵船を襲い、どれほど莫大な宝を
手に入れるか、ってだけの話。しかしそうする事が浪漫であり
自由だった時代。その悪党共はまさしく「英雄」だったのです。
海賊は悪党であればあるほど英雄であり、彼等は賢く残忍でもあった。
フランシス・ロロノア…彼はその中でもNO1残酷な男。捕虜の拷問は心臓を
えぐったり八つ裂きにしたりと、惨殺の欲望むき出しの殺し方で、
伝説になってるほど。彼に殺されるなら死んだ方がましなんて矛盾した
事言われるくらい。ロック・ブラジリアーノ…彼は食料を提供しなかったから
という、すごーく心の狭い理由で二人の農夫を串焼きにしてしまったとか。
バーソロミュー・ポートガス…彼は頭がよく大胆な事で有名。もちろん残虐なのは
言うまでもない。また時代は違えど、キャプテン・キッドという男もそうとう
酷かったとか。彼はでも絵になる男だったらしく、何枚もその姿が
残っている。ちょっとした変わり種は、サー・ヘンリー・モーガン…彼はやってる
事は他の奴らと大差ないけど、結果的にはお国のためになり騎士の位を
授かったり、後にジャマイカの総督になったりと、事実上本物の英雄に
なった男。自分のため、そして自分の可愛い部下達のために、
名声と栄誉を手に戦い抜いた男達。「道徳や倫理はこの際忘れて、
自由と浪漫のために生きるんだ、この命つきるまで。それが海の男って
もんだろ?」そう言ってニヤリと笑い、今日も彼等は誰かの胸にカトラスを
突き立てる。そのすべてを奪うため…その命つきるまで。
…そう、因果応報…やがて彼等は目の当たりにする。
自分の名が歴史に変わるその瞬間を…。
ま、それはまた後の話。そして今日も欲望という名の船が動き出す。


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