衛澤のどーでもよさげ。
2008年11月15日(土) 病院病院。

寝坊した上で「遅刻、遅刻ーっ!」と悲鳴を上げながら自宅から最寄り駅までの道をトーストを咥えたまま疾走することに果てない憧れを抱いている衛澤です。

昨日今日と病院通いでした。昨日は定期通院日、今日は術前健康診断です。

定期通院は二週間に一度。持病の薬を貰うために心療科で診て貰い、その待ち時間を利用して別の病院でホルモン剤の注射をして貰います。最近は心療科の待ち時間が平均九〇分程度にもなるので、注射の病院から出た後に、病院がJRの駅周辺なので駅ビルに入っている書店をぶらぶらしたり、駅に隣接した百貨店の地下ベーカリーでベーグルを買ったり、コンビニエンスストアで駄菓子を物色したりして時間を潰しています。昨日は理髪店で散髪して貰っていました。裾〇.五厘のスポーツ刈りを御願いするといつもきっちり三〇分で終わります。

昨年の一〇月に突然、持病の調子が悪くなって、以来病状の改善と安定を図るため担当医と相談の上ドラッグコントロールをして貰っていたのですが、これまでの病歴とは違う症状が出ていて、巧く投薬内容を調整することができずにずるずると長引いていました。しかし何がどうなったのか、きっちり一年後の今年一〇月初旬からうそのように不具合がなくなりまして、ただいま元気に過ごしております。「調子いいです」と報告したら担当医先生は「どうしたんでしょうね」と仰いました。
毎日セルリアンブルーの錠剤とロイヤルブルーの錠剤を服んでいます。多分、かの悪名高き青色1号とか入っているのでしょうが、元気です。いまは。

せっかく安定してきたところですが、常用薬を減らす相談も担当医としています。年が明けて落ち着いた頃に、二回めの性別適合手術を受ける予定を立てています。手術を受けるためには術日から二週間前にはすべての薬物・サプリメント類・煙草などを断たなくてはなりません。私が服んでいる精神神経系の薬は急にやめると離脱症状が出るものがほとんどなので、担当医と相談して指示通りに少しずつ減らしていこうとしているのです。
現在服用している薬はどれもそんなにきつくないので、年が明けてからさくっと減らしちゃいましょう、ということで落ち着きました。薬を服まない期間が短くて済むのは助かります。

さて、日付変わって本日。自宅近隣の総合病院で術前健康診断を受けました。受付で「海外で手術を受けるので、その事前健康診断をしてほしい」と告げて必要な検査項目を書いたメモを渡しました。「内科の前でかけてお待ちください」とのことだったのでそのようにして待つこと一時間。
健康診断の準備ってそんなに手間の掛かるものなんだろか、などと思いつつ待っていたところ、受付のお姉さんや看護師さんが入れ替わり立ち替わり「検査表は指定のものをお持ちではありませんか」とか「手術先の病院からの紹介状はありませんか」など、質問を一人一つずつ持ってやってきました。何か胡散くさかったのでしょうか。受付でもっと詳細な説明をしておくべきだったのかもしれません。

やっと診察室に呼ばれて内科医と対面したところで、受付で告げたことをもう一度言う破目に。重ねて「何の手術を受けるの?」と訊ねられたので「性別適合手術です」と答えると「あーはいはい」とあっさりした返事。「性別適合手術」という単語を口にするだけで「えっ」と強張った表情で顔をじっと見られるという時代はもう終わったのかあ、と感心しました。

検査は採尿、採血、胸部レントゲン撮影、心電図。全部で三〇分程度。それぞれの検査室までは受付のお姉さんが案内してくれたのですが、このお姉さんが何だか私のことを見てくれない感じで。各検査について通路を歩く間に説明してくれるのですが、顔がちっとも私の方を向かないのです。一歩前を歩いている彼女がとても遠くに感じて寂しくなってしまいました。
でも、最後に入った心電図室の検査技師さんがほがらかでテンションの高い話し方をする人で、型通りの説明と会話だけだったのですが、聞いているだけですうっと先刻の寂しさが溶けて、少し愉しい気分で病院を出ることができました。検査結果は一週間後。


エンピツユニオン


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