衛澤のどーでもよさげ。
2006年07月13日(木) うれしいとたのしいよ。

あまり調子がよろしくなく、仕事もできないので仕方がなく横になって点けっ放しのテレビを眺めていました。映っているのはどうやらこの日が初回放送の新作ドラマ。例によって原作付き。しかも原作は漫画。原作なしにほかのメディアを凌ぐおもしろさを放つドラマっつーものをつくるってのは不可能なのだろうか、などと冷めた気分でぼんやり見ていたのですが、原作者の名前が記憶の一部に引っ掛かりました。

この人の名前、聞いたことがある。もしかしたら知っているあの人ではないだろうか。

そう思いつつもその日は身体が動かないからそのドラマを眺め見ていたのであって、直ぐに確認することはできず、そのまま忘れていました。
そして数日後の今日、忘れていたそのことがぽっと頭に浮かんできたので、ちょちょいとネット検索をして調べてみました。

ああ、間違いない。確信した途端に顔が勝手に笑ってしまいました。
その原作者さんは、ぼくが中学生だった頃から高校生だった頃に掛けて毎月購読していた雑誌の常連イラスト投稿者でした。その頃は勿論素人さんで、別の筆名を名乗っておられました。後に間もなく筆名を改め、現在の名になってからもその雑誌に投稿なさったり、ときには執筆側に混じって漫画を描いたりなさっておられました。

検索から御本人のサイトに行くことができて、しかしそのサイトには投稿者時代のことは書かれていませんでした。当たり前でしょうな。
しかし、サイトに掲載されているその人のラフ画を拝見して、確信したのです。技術や絵柄は当時と変わっていましたが、画から滲み出る雰囲気や描線の躍動感には当時の作風の名残りが窺えます。
二〇年ほど前の投稿作品を通してしか存じ上げなかったのですが、素人時代を知っている人が漫画家としてデビューして、「このマンガがすごい!」に取り上げられて、更には作品がドラマ化されるという躍進を続けていることが、とてもうれしい。

先に述べましたように、その人とは面識がないどころか、ぼくはその人を雑誌越しにしか知らなくて、その人はぼくのことなんか存在すら全然知らない。そういう限りなく他人でしかない人なのですが、いまも他人でしかないのですが、うれしかったのです。
言ってしまえばまったく自分とは関係がないところにまでうれしいことを探しに行っている訳で、パレアナさんの「よかった探し」に通じる強引さが滲み出す一件ではありますが、うれしいことはいいことだと思っているのでこれはこれでよろしいです(きっぱり自己完結)。
自分もがんばろう、という励みにする、ということで。


【今日のいつの間にか】
シーツに糊付けしていて、自分にまで糊付け。


エンピツユニオン


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