粉末ウコンの輝かんばかりの黄色さと匂いの強さに悶絶中の衛澤です。指が真っ黄色だヨ!
今日は「ヲ」の話を。
「ヲ」の正しい言葉はそのまま外国でも通じるようになって、欧米などでは「ヲ」と言えば特定の分野にとても詳しい人という意味合いを伴って誉め言葉ですらあるというのに、国内ではまだ嫌われていたりするのですが、嫌いな人も今日は我慢してくれなさいよ。何故ってこの頁を書いている人が「ヲ」だからさ。
物語を書いている人間なんてみんな「ヲ」だぞー? 逆に「ヲ」ではない物語作家というのは信用できない気もします。ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン先生なんて言語学ヲタクだったしね。
さて今年は「
名探偵コナン」の
アニメーション版が放送10周年ということで、昨夜も特別番組が放送されました。年明け第1回めの放送というのは毎年特別版で放送枠が2時間取られているのですが、今年は2時間半。本編のロールを考えると映画とほぼ同じ尺です。日本テレビ放送網のこの作品への期待と自信が窺えますね。
でもねえ。
正月特番と春公開の劇場版とに制作スタッフを持って行かれてしまうので、毎年テレビ放送版は年末から春先まで作画がガタガタになってしまうので一長一短という感じです。
原作は現在第51巻まで発行されていまして、今月には第52巻が発売になります。
WEBサンデーではまとめ買いもできるので、いっちょはりこんだろかというお金持ちのあなたはどうぞ。一気読みは3日ほど掛かると予想しておいてね。一般的な漫画と比べてずっとネーム(活字)が多いからさ。あと、全頁ノド(綴じ込み部分)以外裁ち切りでノンブル(頁数)がないから栞を用意してね。
アニメーション版は10周年ですが原作は連載12年になります。ちなみに私が読みはじめたのは7年前、第25巻が発売された頃です。原作はとても長いスパンで御話が組み立てられていて、丁度その頃は物語の大きな転換期でした。第24巻FILE7「裏切りの街角」からはじまるAPTX4869(新一さんがコナンくんになった元凶の薬)データへの接触シリーズや、第25巻FILE9「手負いの探偵団」から第26巻FILE7「思い出の場所」に掛けての「生命懸けの復活シリーズ」はいま読み返してもどきどきするし、第26巻の124頁なんて頁を繰った途端に涙ぐんだりしたものです。当時30歳目前だったけどね、わし。
ちなみの話が随分長くなってしまいました。興味がおありの方は第1巻から順番にどうぞ。第24〜26巻辺りのサスペンスフルなせつなさや最早や伝説の第42巻の吃驚は、順番に全巻を読んできた人だけが貰えるとびっきりのボーナスだと思うのですよ。そこだけ読んでもつまらない。
昨夜放送の「ブラックインパクト!」は原作第48巻〜第49巻掲載の、これまで最大の物語のうねりで、アニメーション版も丁寧に制作されていて一ト安心でした。それだけに更に心配になるのは今年4月公開の劇場版第10作「
探偵たちの鎮魂歌」です。これね……とても心配なんです、ほんとうに。
10周年というのは確かに節目でもあるし、お祭りだし、大騒ぎするのも決していけないことではないとは思うのですが、「オールスター」はシリーズものの鬼門だと思います。誰も彼もを登場させてどいつもこいつもスポットライトが当たるように、なんてことをしたら御話が薄くなるのは見え見えですから。ぼくはそんなブロマイドをつぎはぎしたようなものは観たくないな。などと言いつつ前売券を購入してまで観に行くのですが。
でも
映画前売券購入特典クリアファイルの図柄を見てみると如何にもそんな匂いが芬々で半泣きになりそうです。登場がテレビ版1回こっきりの萩原・松田両刑事まで「輪っか」付きで混じってるしな。そんなに視聴者に媚びちゃ駄目だ! ……とか思ってたら劇場版サイトで原作の青山剛昌先生が「お祭りだから」みたいなコメントしてましたー。脚本段階で大きく関わる人がこんなことをーあああ。
という訳で、これまでコナン映画を観たことがなくて、これを機会に観てみようと思っていますなんて仰る人は、第10作は避けた方がよいのではないかと思います。第6作(ベイカー街の亡霊)と第9作(水平線上の陰謀)も可能なら避けて頂きたい。はじめて御覧になるなら第4作(瞳の中の暗殺者)か第5作(天国へのカウントダウン)がいいんじゃないかな。うん。第1作から順番に観るのが一番おもしろいのは言うまでもありません。
第10作の「さよなら、コナン」というコピーもあざとい、よねえ。「謎の男」の正体は「闇の男爵=優作パパ」でした、というベタベタなオチもありそうで怖いです。10周年で子供向けに原点回帰、なんてことが考慮に入れられていたらこの可能性は多分にある……原作の読者層もアニメーション版の視聴者層も入れ替わっているでしょうし。ううう。
テレビ版の10周年記念主題歌(何でも記念しちゃうんだね)がB'zというのは、選択を間違ってしまったのではないかとぼくは思っています。アーティストの名前が大きければいいというものでもないのでは、ということです。これまでの馴染みのアーティストの中に充分に番組内容を考慮して曲をつくってくれる人たちがいるんじゃないのかな、と。B'xファンであるぼくがこう思うのだからB'zが特に好きでもない「コナン」ファンはもっと首を捻っているのではないでしょうか。
劇場版の主題歌はまだ発表されていないようですが、これもB'zなんてことは……ないように御願いしたいところです。双方のファンであるぼくから見るとB'zと「コナン」の組み合わせは、互いを損ない合っているように思えるのですよ。劇場用第6作のエンドロール(ベイカー街の亡霊/Everlasting)で確信に近いものを感じました。
(後日追記:本文中に結構重大なミスタイプがあります。おもしろいから訂正せずに置いてあります)
【今日のそれにしても】
ウコン単品の匂いは精神衛生上よろしくないと思います。