2005年11月15日(火) たとえそこに心がなくても。
とある会合に出席。たいしたことも言えないまま解散。退席時にたまたま居合わせた或る人が、ぼくに言った。
「今日は衛澤くんと会えてよかった」
二箇月に一度だけ開かれて、欠かさず出席する訳でもない会合の、しかも帰り際に、直接口を聞いたこともない人からそう言われることはとても意外だったのだけど、ぼくはうれしいと思った。たとえそれが上っ面だけの、思ってもいないことだったとしても。
もしもほんとうはそんなことを思っていないのだとしても、そう言えることは立派なことなのかもしれない。心にもないことを言うことも、決して悪いことではないのかもしれない。そう思う。
確かにぼくは口癖で言ってしまう「有難う」でも貰えばうれしいしかたちだけでも「有難う」を口にすれば幾らか気分がよくなることを知っている。
いい言葉は思いついたそのときどきに口に出すべきなのだろう。それを聞き取る相手がいないのだとしても。
「会えてよかった」と言ってくれた人の言葉は、ほかのどれを聞いても力強くも清らかでもないのだけれど、きっと本心なのだということを信じさせてくれる。いい言葉を口に出して伝えられるこの人はきっとほんとうにいい人なのだろうと思う一方、「上っ面だけいいことを言ってみるだけの奴で御免なさい」とも思った。
それでも、会えてよかったと言って貰ったことはほんとうにうれしかったので「そう言って貰えてうれしい」と声に出して伝えられたことはよかったと思う。
【今日のいったい何が】
某缶ビールCM出演中のみっちゃまに何ごとかと。月曜深夜はビタースイートサンバから。