渡航中は何かともの要りだろうと多めに貯金をして持っていきました。しかしタイという国は物価が安く、その上思ったよりも買いものをしなかったので大幅に予算が余りました。
余った分はそのまま貯金して次回の手術費用にまわしてもよかったのですが、この際だからと、いい加減旧くて使えなくなりはじめていた布団と炊飯器と洗濯機を新しく買い換えることにしました。
布団は掛け敷き両方購入し、自力で運ぶのは難儀なので配達して貰いました。枕も新調。布団カバーは格子柄です。
という話を友人にしたところ、
「カバーはどんな柄?」
「格子柄」
「イナバコウシ柄?」
「そんな柄の布団では寝たくないな」
というネタ合わせをしたかのような会話になりましたとさ(伝聞形)。
続いて炊飯器と洗濯機が一緒に到着。近隣の家電屋に頼んで配達といままで使っていた機体の引き取り、新しい洗濯機の設置をして貰いました。新品の白い洗濯機がベランダに据えられて、以前の洗濯機より少しコンパクトなその姿ににやけたりしました。
配達の兄さんたちがいなくなってから、炊飯器を開梱しました。ぼくが知っている或る兄弟のお兄ちゃんの方が新品の炊飯器を買ったときに弟くんに「釜だけを洗え」と言われていたのを思い出して、そのようにしようと内釜を手に取りました。いまどきの炊飯器の内釜はとても軽いねー、とちょっと驚きながら御約束通り頭に被ってから、ちゃんと洗いました。
被ってみると
ケブラーヘルメットそっくりで吃驚。
買った品物が届いて浮かれていると、国勢調査の人が来ました。マークシートの調査票と封筒、封緘紙をくれて、「御願いしますね」と丁寧な御挨拶。
調査票を見てみると、一番最初に早速性別欄があります。これは戸籍上の性別を記入すべきなのか「実際」を記入すべきなのかと迷っていると「こちらにはおひとりでお住まいですよね……男性ひとり住まい、と」と何やら記録を取られてしまって、「10月1日頃にまた回収に来ます」と調査員氏は去ってしまわれました。とても御機嫌がよさそうです。
マンションの一ト部屋一ト部屋を訪ね歩いて調査票を渡している調査員氏は、なかなか住人と顔を合わせられないらしく、そんな中ぼくが応対に出たので気分がよろしかったようです。ぼくは内釜を被っているときに会わなくてよかったと思いました。
うちに洗濯機を届けてから3時間後くらいに、同じ家電屋から電話が入りました。
「違う品物を配達してしまったので、交換に行かせてください」
直ぐに来て貰って、ぼくが買った洗濯機を設置し直して貰いました。先刻来て貰ったときに、ぼくが品物が違うことに気付いて指摘していれば家電屋の兄さんたちも手間取らずに済んだのにな、と思いながら、白い洗濯機が搬出されていくのを見ていました。
改めて搬入された「ぼくが買った」洗濯機は、白じゃなくてグレーです。白い部分なんて少しもありません。しかもメーカーも違います。気付けよ、おれ。
販売店で展示品を見たときには型番しか判りませんでしたが、取扱説明書を見てみると「シングルズウォッシャー」という品名が書かれていました。独身者専用ですか。
陽が落ちた頃には高校生時代からの友人ふたりから連絡が入り、無事帰国&無事手術終了祝いに食事に連れて行って貰えることになりました。何とも有難いことです。
「タンシチューが食べたい」と数日前に言ったので、それを目当てに旨いと評判の店に連れて行って貰ったのですが、現在牛タン不足らしくて店員さんに謝られてしまいました。代わりと言ってはナニですが、ポークチャップを注文。久し振りに分厚い肉を喰って上機嫌です。旨いものを喰うと気持ちがゆったりしますよね。
連れて行ってくれて喰わせてくれた上に友人たちは写真も撮ってくれました。
こうして見るとぼくのナイフとフォークの使い方はやっぱり変だなあ。
旨い肉を喰ったことと旨い食事に連れて行ってくれた友人たちを、ここで自慢します。こんな風に大切にしてくれる友人がいるぼくはほんとうに倖せ者です。ぼくの周辺の人はどの人もどの人もみんな善良で、これは自慢するべきでしょう。
何れ報恩できるようにがんばらないとな、と改めて思いました。
会計のときに友人ふたりが「払わなくていいよ」とぼくに言ってくれたのを聞いた店員さんが「モテる男性はいいですね」などと仰いました。そう言えば誘ってくれた友人はふたりとも女性です。傍目に見るとそういうことになるのか、とこのときやっと気付きました。
だって高校生のときはぼく等3人とも同じ制服を着ていたもので。
【今日のまだまだ続きます】
バンコク土産プレゼント応募まだまだ募集中です。衛澤が他人さまにモノを差し上げることなど滅多にないので、この際ぜひどうぞ。