2004年10月22日(金) しあわせなおでかけ。
定期通院日。
台風が過ぎるのを待っていたら今日になってしまいました。日にちがずれてしまってホルモン投与のペースが崩れたせいもあるのか、過日より鬱症状が強くなっておりました。
しかし。
厭なこと、しんどいこと、苦しいことというのは結構重なったりもしますが、存外よいことも重なって起こったりするのですよ。
ホルモン注射してくれた看護師さん、はじめて当たる人だったけれど、とても愛想がよかったです。これまで当たった看護師さんはどうも身体の性とは異なる性ホルモン剤の投与を望んでやってくる者に対して少なからず偏見を持っていそうなよそよそしい態度を見せていましたが、今日注射してくれた看護師さんはそんな様子も一切なく、朝一番に行ったにもかかわらずとても明るくてきぱきと親切に接してくれました。
主に過日の台風で被害がなかったかなどを話し、上手に痛くない注射をしてくれたので「痛くない注射を有難う」と言って少しよい気分になりつつ病院を後にしました。
続いて心療科へ。主治医先生と話すと随分楽になりました。何を話したかというと、主に浦沢直樹(漫画家)作品について。
先生「PLUTOはおもしろいの?」
私「手塚派の漫画家の筆頭と言われる人ですから、作品の質は間違いないですよ。通常版とは別に特装版が出ていて、それは何と原作が同梱になっています。手塚先生の原作と並べても遜色がないということでしょうね。」
先生「それはすごいですね!」
私「浦沢直樹さんと言えばYAWARAとか……。」
先生「MASTERキートンとか。」
私「そうそう! あとパイナップルARMY。ぼくはこれが一番好きです。」
先生「私はMASTERキートンが大好きなんです。全部読みましたよー。MONSTERも人気ありますよね。」
私「悉くアニメーション化されてますしね。」
先生「MONSTERの結末はとてもつらいものでしたね。いっそのこと死なせてやった方がよかったのかも……。」
などなど、延々と。
投薬内容はほとんど変化なし。ここ1年ほど概ね調子がよくて服むのを忘れて余ってしまっている分を調整して貰いました。
先生の御陰でかなり気持ちが持ち上がりました。有難うございます。
その帰路、県精神保健福祉センターと同じく県人権啓発センター、同男女共生社会推進センターに立ち寄りました。当県にはひとつもないというGID自助グループ発足のため、会合場所を貸して貰えるように要請したり、広報のためのチラシを置かせてほしいと御願いしたりのため。
精神保健福祉センターはやさしく対応してくれましたし、人権啓発センターの人は部署挙げて親身になって話を聞いてくれました。しかし、男女共生社会推進センターは課長(現場の一番偉い人)でさえ「性同一性障害」という言葉すら御存知なく、素気ないというか慇懃な態度。
同じ県庁の部署なのに、どうしてこうも対応が違うのでしょう。「男女の」つまり「性別の」垣根を取り払うのが表向きの仕事のはずの男女共生社会推進センターの態度にはがっかりしたけれど、人権啓発センターの人たちは応対が親身なだけでなく、私が書くものについても興味を持ってくださいました。て、私が営業トークに走ってしまったせいもあるのですが、厭がる風もなく聞いてくださいました。とてもうれしかったです。有難うございます。
中途で立ち寄った銀行にキャッシュカードを忘れるという大失態をやらかしましたが直ちに銀行のお姉さんが連絡をくれて、即日手許に戻ってきました。
引き取りに行った私を担当してくだすったお姉さんがまた愛想がよくて話しやすい人でここでも私は営業トークを展開。厭なカオせず聞いて貰えるってうれしいですね。お姉さん有難う。
と、これだけのことをやったら7時間掛かりました。一日仕事です。昨夜(今朝?)はほとんど眠っていないのでしんどいはずなのですが、みなさんがよくしてくだすったので、まだ元気でいます。
みなさん、ほんとうにほんとうに有難う。うれしい気分でいられるというのは、とても倖せなことです。有難いです。