稽古日記: あと17回。一と二の扉を通す。はじめての通し。役者も下座もミスが多く、その上両者の連携が取れていないのでぎくしゃくした舞台。それでも冬の水琴窟の世界の尻尾がほの見えた、という点で評価できる。
しかし、このまま行くと前半が45分位、後半(三と四の扉)の方が短くなりそうだ。
(有鄰館の一角)
何故芝居をするのか?そう訊かれたらどう答えるだろう?そこに舞台があるから、と登山家のように答えるのか、世界が舞台だから、とシェイクスピアが言いそうなことばを吐くのか、舞台こそが人生だから、と演劇青年風の情熱を見せるのか、訊かれたひとに向って、あなたをよく知りもしないのにどうして答えられよう、とアフリカ(だったか?)の一部族のように突き放すか……
私に答えはない。答えがないから芝居をしている?いや、違う。別に答えを探しているわけではない。強いて言えば、何かを仕上げたいからだ。それは何でもいいのかも知れない。たまたまこの人生で私に与えられた「何か」が芝居だったということかも知れない。
今、窓のそとを玉中の生徒が集団でランニング中だ。あるものは走っている。あるものは走らされている。彼らにゴールは、もちろん、ない。なにもかも失せて薄の中の路(中村草田男)
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