2013年07月30日(火) |
カビは表面から生え、腐敗は内側からすすむ その2 |
日帰り上京。自営業者も研修するのである。 恒例のお楽しみで、黒澤明「生きる」を車中にて鑑賞。
この作品は、ガンで余命いくばくもない男の物語として紹介されるが、 それだけではない。
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監督は、「ガン余命」というキャッチーなテーマの後ろ側へ、 社会の腐敗しきった権力体質−この作品では主に役人であるが−に対する怒りや無力感を、 一万円札に刷り込んだ福沢諭吉みたいに、実に巧妙に織り込んでいる。
そうだから、志村喬の深夜のブランコシーンばかりが、 この作品の象徴的場面になってしまっているのは、残念なことだと思う。
もっと言うと、ブランコシーンで映画を象徴するのは、 監督のメッセージの一部を意図的に無効にし、 作品を陳腐化しているんじゃないか、とさえ思う。
2006年07月30日(日) 家族の森 2004年07月30日(金)
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