夜に帰宅。 涼しい夜風に迎えられる。
今回は、親類縁者を訪ねる、なんとも楽しい旅。 この小さな家族に、遠くから添え木をしてもらったようで、 ありがたいなあと思いながら帰途についた。
Hが、山のことをほとんど考えずにいたのも、 めずらしいことなんである。 普通の家の普通の「お父さん」または「息子」みたいにしていた。
私は今日は、この人の意識を、山から家に引き戻す作業をしなくてよい、 これは思いのほか、極楽気分である。
*
核家族は、荒野に単独で立っている木みたいなものだから、 常に根を張って関係を強靭にしなければ、立ち行かない。
そしてときどき、家族関係のイニシアティブをとるものは、 そういうことに疲れてしまう。
だから、森のように血縁の集団で支えあって存在することは、 −私達にはおそらくあまり似合わないだろうけれど− 良いところもきっとあるのだろう。
なんにせよ、「小さい頃から自分を知っている目上の人」は、 自分が年を重ねるほど大切にして、その言葉に耳を傾けたほうがいい。
2004年07月30日(金)
|