休校になったAと映画を観に行く。
この数年間で街中の映画館は全て閉館になってしまったので、 国道沿いのシネマコンプレックスまで行かなければならない。
シネマコンプレックスという施設へ行くのは初めてだ。 新聞の情報欄を見ると、なんと8本もの封切映画が上映されている。 大したもんだと感心する。
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商業施設が集積する一角のダダ広い駐車場に車をとめて、館内に入る。 席はすべて指定、飲食物の外部持ち込み禁止という趣旨をインプットさせられる。
よくできたテーマパークみたいなシステムになっていているらしい。 スタッフはパリッとしたポロシャツの制服を着て、お揃いの帽子をかぶっている。
客はみな、流れ作業のようにしてチケットとコーラとポップコーンを買い、時間になると小部屋へ収容されていく。
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映画はよかったけど、お母さんどうもこの施設がだめだな。とAに囁く。 Aも神妙な顔をして、確かに貴方はそう思うだろうね、という風にうなづく。
そういうわけで我々は、−味わいのない施設のせいで映画の余韻を損なわないように−、感想を交わす会話に集中し、ポップコーン臭いエントランスホールを足早に抜けて、雨の駐車場へ向かった。
2007年10月08日(月) 2004年10月08日(金) コースか単品か
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