絶対安定多数の議席数をもって、民主党政権が誕生した。
私達は、「変化によってあなたに得を」という、前の選挙と同じ人参をぶら下げられたまま、意気揚々と投票所に向かったわけである。
「チェンジ」というキーワードなど、小泉政権の煽り文句そのもので辟易とするのだが、世の中にはあまりそう思われていないらしい。
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政治というのは、因縁の深い商売であり、 そうした資質の人間が自己実現の場として集まってくる。
だから、それぞれの思想信条を程よくバランスして政治に反映させないと、 それがどの方向への作用であれ、その反作用を国民が背負う羽目になる。 例えば、ある日突然、戦争に行って死んでくれ、ということになるのである。
自民党は派閥政治というお家芸で、実際、その辺りを上手くこなした。 一昔前の温泉観光レジャーホテルみたいに何でもありにして、客を一歩も外に出さなかった。
民主党がそうしたバランス装置を首尾よく据え付けることができれば長命政権になるかもしれないし、そうでなければ早晩終わりが来るだろう。
しかし国民にとって早晩終わりはどうでもよく、その前の民主党の暴走の方がシリアスなのである。
マスコミもその辺は承知のようで、図に乗るなと釘を刺している。 しかしこれが図に乗らずにおられようか?
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レアメタルのようにベースメタルの化学反応を促進する少数政党の存在は必要だ。絶対多数の一党独裁政権というのは回避しなければいけない。
今回の選挙結果でこう気付いた国民も、いるかもしれない。
政治の世界も多様性が保たれていることが大切で、 ブラックバスばかりになった河口湖みたいじゃ困るのだ。
だが悲しいかな、選挙のレギュレーションがそのようにできていない。
自民:民主:公明:社民:共産:その他=○:○:○:○:○:○ というように議席配分を意思表示することは、できないのである。
もっと現実的にみて、小選挙区制は少数政党が姿を消すようにできている。 それを何とか防ぐとして、こうした少数政党については基本的に、 まあ政権をとるほど票は集まらないだろうという変な見込みの元でしか票を投じられない。
何とか多様性を確保する方法はないものだろうか。 来年日本で開催されるCOP10-生物多様性条約第10回締約国会議-でも審議していただきたい。
2004年08月31日(火) リピート日記
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