浅間日記

2009年08月10日(月) 自然界にはない物質

ある専門誌の「科学の安全確保と被害者救済の課題-水俣病事件、第四の問題点」という論文。
以下備忘録として引用す。

「…「すでに登録されている化学物質が500万種、10年後には600万種になる。毎日2〜300種の新物質が世界中で造られ登録申請されている」と記されたのは1986年のことである。それが05年には登録2585万種、1日あたり3000種になり、09年の現在、登録4645万種、1日あたり12000種という。この膨大な数字は、化学物質の際限のない未知を示すものにほかならない。…(化審法の)施行前から使用されている約4万種の化学物質のうち安全性が評価されているのは約1300種類という。つぎつぎ開発される化学物質から、人間生活に利用されるものが選択される過程で、安全確保の営みがあり、しかし安全確保の努力を重ねてなお、未知のリスクは不可避である。」



「科学(化学)の未知」の存在は、社会の中で曖昧にされている。
被害が生じ、さらに被害者が社会に訴えることに成功してやっと、
「過失」との混載便となって世の中に届けられるが、科学の未知は、過失とは別の要因として取り扱われるべきだと件の論文に書かれている。


検証が十分でないまま新たにつくられる物質の数をみると、科学(化学)の未知は、万が一、などという確率のものではないどころか、現代社会は真っ黒な「科学の未知」のど真ん中をドライブしているのではないかとすら思う。

2007年08月10日(金) 夏の光の観覧車
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