2007年09月26日(水) |
fly me to the moon |
「自分はお天道様以外は眼中にない」と突っ張っていた青い稲穂のように、 プライド高く生きたいものだと思ったのも、もう一月以上前の夏のこと。
田んぼの稲は、今はもうその若々しい季節を通り過ぎて、 黄金色の頭を大地に向けて思慮深くなっている。 順々に刈り取りがすすみ、週末のたびに、地があらわになった田が増えていく。 カラスやトビが、おこぼれを拾いにやってくる。 太陽は、日差しというよりもひなたという温かみを帯びてくる。
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昨日のこと。 夕飯を済ませ、満月だねと誰かが言うから、 Hはぶどう酒を、私とAはブドウを片手にふらふらと外へ見物に。 土手のススキとコオロギの鳴き声が、準備OKと待ち構えている。
映像ではない、もちろんCG処理などされていない、 この肉眼で眺める月は、蒼白く、しかし煌々と夜空に在る。
太陽は昼を、月は夜を照らすものである。 信州の夜はしっかりと暗いから、そのことがよくわかる。
Hと、映画の「アポロ13号」はどこの映画館で見たんだっけ?と昔の話をする。 手回し計算機しかなかった時代に月へ行ったんだもんなあと、Hが感慨深げに言う。
Aはひとり、どうしても月の中に兎の形がみつけられないでいる。 ぶどうを頬張って頭をさかさにしたりしている。
2006年09月26日(火) 夏に飲み下したもの 2005年09月26日(月)
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