この夏の信州は、「風林火山」一色なんである。 もちろん、NHK大河ドラマのためである。
どこへ行っても、センスの無いのぼり旗がヒラヒラしている。 武田信玄に全然関係ないエリアだろうがなんだろうが、 見境なくヒラヒラしている。
まったく、これほど田舎趣味なことがあろうか。
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今はどうなっているのか知らないけれど、少し前に、 「攻められた側である佐久市の観光課では、全県をあげたこの能天気なキャンペーンについてかなり戸惑いがあるようだ」という新聞記事をみた。
佐久近辺には、敗れた側の子孫であることが明確な人が沢山暮らしているので、とてもじゃないが、やんやと騒ぐ気にはなれない、というわけである。
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研究家の中には、「武田軍は志賀城の援軍を破り、3,000人の首を城の周りに並べた。戦意を失った城主ら300人は討ち死に。生き残った者は売られた」という被害の史実をあらためて示す人もあった。
ずいぶん前に新聞へ掲載されていた、この小さな記事にある人々の実感こそ本当の歴史というものである。
2006年07月09日(日) 夢の花 2005年07月09日(土) 鑑賞日 2004年07月09日(金) 落胆
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