昼下がり、ラジオから井上陽水の「5月の別れ」。 夢見るような素敵な言葉が、ポピュラーミュージックに仕立てられている。 いい曲だなと思いながら聴く。
不思議な言葉の組み合わせは、彫刻を鑑賞するように確認することができる。 そのシェイプを、テクスチャーを、丁寧になぞってみる。
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これはきちんと調べていないから、間違っているかもしれないけど、 最近のポピュラーミュージックから、「情景」が消失している。 「心象風景」と言いかえてもいい。 そんな気がしている。 とりわけ、自然のうつろいや、細やかな描写は姿を消している。
その一方で、勇気とか希望とか信じるといった観念的な語句は、 ジャンルを問わず、多用されている。そんな気がする。
できれば、たまたま耳にするような音楽は、 直接的な表現がならぶ道徳ソングみたいなのよりも、 「5月の別れ」みたいな、一幅の絵がうかぶ言葉で綴られたものに出会いたいと思う。
2006年05月15日(月) マクマーフィの最期 2005年05月15日(日)
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