浅間日記

2007年05月15日(火) 道徳ソングか情景か

昼下がり、ラジオから井上陽水の「5月の別れ」。
夢見るような素敵な言葉が、ポピュラーミュージックに仕立てられている。
いい曲だなと思いながら聴く。

不思議な言葉の組み合わせは、彫刻を鑑賞するように確認することができる。
そのシェイプを、テクスチャーを、丁寧になぞってみる。



これはきちんと調べていないから、間違っているかもしれないけど、
最近のポピュラーミュージックから、「情景」が消失している。
「心象風景」と言いかえてもいい。
そんな気がしている。
とりわけ、自然のうつろいや、細やかな描写は姿を消している。

その一方で、勇気とか希望とか信じるといった観念的な語句は、
ジャンルを問わず、多用されている。そんな気がする。

できれば、たまたま耳にするような音楽は、
直接的な表現がならぶ道徳ソングみたいなのよりも、
「5月の別れ」みたいな、一幅の絵がうかぶ言葉で綴られたものに出会いたいと思う。

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