都内某所で打ち合わせ。
帰りみちは、黄色いイチョウ並木を三拍子で歩く。 広い運動場の向こうは国会議事堂で、シンメトリーな絵のなかにいる。
このあたりは、完全に西洋式なんである。 威厳と秩序を具現化すべく、街路も建物も設計されている。
たいしたもんだと欧風ゴシック体で歩いていたら、 とつぜん勘亭流の「銀杏祭り」なる看板がぬっと現れ、 あっという間にそこは、飛鳥山の花見みたいな場所に早変わり。
老若男女が、冬の陽の中で餅やソバを飲み食いし、 黄金色のいちょうを綺麗だ見事だと喜んでいる。 なんでもありの賑やかな音楽が流れている。
まあいいや、これも悪くない。 悪くないというよりも、 私はその「文化のひっくり返し力」を、どこかで歓迎している。
四季折々の自然を楽しむ、そういう場を 不特定多数の人間が共有し、「御相席」を喜ぶことができる能力は、 日本人の底にある気質なのだと思う。
白幡洋三郎氏だって、「日本文化としての公園」で言っている。 本当は、日比谷公園よりも亀戸天神が好きなのだ。
2005年12月01日(木)
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