病み上がりのYさん宅へ、子ども達の忘れ物を届けに行く。
冬枯れ始めた柿の木の庭をぬけると、 1歳になった末娘とYさんが、縁側から手をふっていた。
やつれたねえ、具合どう?、と声をかける。 微笑みながら、久しぶりにゆっくり寝たよ、と返す。 秋の陽を浴びながら、庭先で枯葉をいじりながら話し込む。
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羨ましいほど楽しく仲のよい家族の母親となった彼女は、 しかし時々、秋の終わりの薄日みたいに、儚い存在に見えるときがある。
一緒にいれば楽になるのなら、それはできるだけそうしてあげたいと思う。
2005年11月03日(木) 出来高ボート 2004年11月03日(水) お家に帰ろう
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