2006年10月11日(水) |
インドへ回覧板をまわしに行った男 |
早朝のラジオ。
電話アンケートで、集団的自衛権を知っていると回答した人は8%というニュース。嘆息。 かくして富国強兵と重商主義は、無知と無関心に後押しされる。 やりきれない気持ちで、暗い台所で湯を沸かす。
コーヒーを淹れてラジオ体操をして、気合いを入れなおす。 私とて、本日は集団的自衛権より優先すべきことがある。 「政治の幅は常に生活の幅より狭い」。便利な言葉だ。
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国際空港の重要な機能の一つに、「送迎演出機能」がある。 これは、空港の設計コンペでも、特に重視される機能とされている。 多分そうだと思う。
というのは、Hが本日帰宅するにあたり、困った問題を抱えているからである。
インドへ二ヶ月出かけていって、 ヒマラヤ未踏峰を4度目の挑戦で登頂した男。 まさに万感の思いで、家族が待つであろう家路を辿る男。
そのようなテンションに、この家は不釣合いなんである。 やはり空港まで行くべきだったか。
本気で悩んでいる。いささか面倒と言ってもいい。 隣の家に回覧板を回しにいっていた人と、対応をどう分ければよいのか。
「ただいま」とドアを開けた時に、最も集中を要する家事の瞬間 −ジャムを煮詰める仕上げ−とか、 クライアントからややこしい電話があった直後だったらどうするのか。
じゃあイメージトレーニングだよ、とTちゃんのアドバイス。 そうかそうかと、成田でゲートを出てくる様子やなんかを思ってみる。 やっと帰ってくるやっと、ついに、などと呪文のように言う。
2004年10月11日(月) 動物の悲哀
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