浅間日記

2006年09月05日(火) 仲間の喪失

仕事からもどったら、カメが死んでいた。


少し前、Aから「なぜ自分に弟や妹がいないのか」と相談されていた頃、
Hが無神経にも「ペットは家族」などと嘯いたことが理由で、
私は実際のところ、このカメとほとんど関係を断っていた。
世話もしたことがないし、別に死んでもいいやと思っていた。

行きがかり上、もっぱらHが可愛がることになってゆき、
今は、インド遠征中はくれぐれも世話を頼むと言い残したから、
不承不承、水を替えたり餌をあげたりしていた。

そのうちに、カメの小さい手や、砂をカシャカシャとかく様子を、
可愛いものだと思い始めたころである。

世話の仕方が悪かったのだろう。
ここしばらく元気がないと思っていたのだが、
水草の下で、白い腹をみせて水に浮かんでいた。

ペットは家族ではない。しかし生きものは仲間だ。
そうだから、それを失った時には、明確に「何かを失った」と、
ある種の衝撃をもって自覚させられる。

線香を何本かあげて、手を合わせて、埋葬する。
カメにもHにも、悪いことをしたなと思う。

そして、こんな喪失感を感じるぐらいなら、
もう生きものを飼うのは結構と、今はそう思う。

2005年09月05日(月) 
2004年09月05日(日) 道路と自然


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