まだまだテレビ猿が続く。
鳥インフルエンザの報道。 羽をばたつかせている鳥が、次々と業者の手で回収されている。
この鳥達のすべてが感染している訳ではない。健康な鳥もいる。 ただ感染の恐れがあるから、食物にもなれずに殺されるのである。 それは、人間が安全を確保する上でしかたがないことなのだ。
だから、映像に向かって憎々しい視線をおくるのは間違いで、 本来ならば、供養塔のひとつでも建てるのがスジなんである。
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スーパーへ行けば、 国産牛肉はニコニコした生産者の写真と一緒に売られていて、 私たちが大切に育てましたなどと書いてある。
三菱自動車の欠陥車みたいに回収処分される鳥の命と、 ニコニコ生産者のトレーサビリティ付きの命。
それが自分たちに有益か有害かで、かくも命の奪われ方は変わる。 鳥たちに罪はない。
こういうものに対する想像力をどうするかは、 今はやりの食育とか生命教育とかいうものの、深みが問われるところだと思う。
2004年11月08日(月) 戦場は自然現象ではない
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