もう勘弁して!と言いたくなるような、荒れた山の仕事。 今日はHの応援つきなので、少し心強い。
今度雨が降ったら、その後は絶対違う地形になっている沢筋を歩く。 いつ崩れてもおかしくない山腹をトラバースする。
Hは道々、栃の実を拾ったり蛇を見つけたりして遊んで歩く。 この男は状況がやっかいであればあるだけ、息を抜く習性がある。
一日の仕事を終了し、やれやれと家へ。
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何しろHとは、だいたい一緒に家にいる。私の繁忙期以外は。 夏の時期は昼になると仕事を終えて帰ってくるし、冬は一日家にいる。 ジムへ出かける日の夜以外は寝る時間も同じで、夕飯はもちろん毎日一緒に食べる。
こうまで一緒にいる時間が長いと、お互いの体内菌を共有しているという実感がある。 私達は、同じ糠床の中で醗酵している野菜みたいなものだ。 多分、古漬けキュウリのように年を重ねていくのだ。
そして天秤棒のもう片方のように、お互い全く関与しないそれぞれの人生もまた存在する。 先月やっと実現した私の大切なお楽しみについても、Hはほとんど何も知らない。 そして彼のクライマーとしての日常も、私のあずかり知らぬところである。 それでいいのだ。
2004年09月13日(月) 厄年センサー
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