自分が選んだ人や政党が成果をあげなかった選挙というのは、 前向きに言えば腹立たしく、後ろ向きに言えば無力感に包まれる。
誰だあっちに票を入れた奴は、という気持ち。 もう税金を払わないぞ、という気持ち。 選挙など意味がない、という気持ち。
まったく、さもしいものである。 私は確かに、国の将来を案じる気持ちよりも、 選挙結果が自分の思う通りでなかった不満の感情が、僅差で勝っている。
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選挙を勝ち負けで評すると、こうなってしまう。 しかし本来それは、「選ばれたか選ばれなかったか」であり、 勝ったり負けたりする筋合いの出来事ではないのだ。 勝たせたことなどにすれば、勝者の論理で動くに決まっている。
もう少しいうと、私たちは君主を選んだわけではない。 総理大臣や議会の国民に対する義務は何ら変わったわけではない。
そういう「選挙の結果の意味」は、 選ばれた者ではなく選んだ方が自覚しなくてはいけないことだ。
2004年09月12日(日) あるベクトル
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