県内を南へ北へ。Hは風邪でフラフラすると言って寝込んでいる。外見が屈強な分、身体の調子が悪くてもあまり心配する気になれない。しかし数年前に、そう思っていたら実は脊髄から髄液が漏れていて即入院、ということがあった。それは足の手術後だったせいもあるのだけど、最悪な状況の時に私は呑気に彼を蕎麦屋へ連れ出したりしたんである。だから、この男のことをあまり手放しで健康と思わないよう、最近は自戒している。体調が悪い時に思いやってもらえないのは、それが誰であっても可哀相なことだし。