2005年07月20日(水) |
ヒートアイランドゲーム |
信州へもどる。ひんやりした夏の夜風は、最高の出迎えだ。 忌々しい汗ばんだシャツを脱ぎ捨てて、顔をバシャバシャ洗う。
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東京や大阪などの都市部に限って言えば、 年々増す夏の暑さは、温暖化の影響というよりも、ヒートアイランド現象と認識するのが適切だ。
アスファルトで覆われた地面は水分蒸発を妨げる。 建設物は自然の空気の流れを分断する。 オフィスのOA化が助長する、高密度なエネルギー消費。 そして何よりも、夏季のあの、空調設備から排出される、嫌な熱風。
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人工排熱の実態調査とか、屋上緑化の効果とか、ヒートアイランド現象緩和のための建築物総合環境性能評価システムなるものとか、国が手をうっていない訳ではない。 しかしその認知度は、クールビズなんかに比べると圧倒的に分が悪い。
ちょっと考えればわかる。皆で一斉に始めるなら、半そでシャツより空調が先だ。経済効果だってこちらのほうがずっと大きい。
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地球環境問題は人類のサバイバルゲームなのだから、きちんとした戦略をもって、確実に得点をとらないとだめだ。得点に結びつけるためには影響の大きいものをターゲットにしなければいけない。
「できることを一つずつ」とかいう地道なロマンティシズムを否定するつもりはないけれど、どうも環境対策に何か別の動機−パステルカラーの−が憑依するようで、私にはちょっと受け入れにくい。
地球に優しくあるように一生懸命取り組んでいる人達は、何か別のことがやりたいのではないだろうかと時々思う。そしてそれは決して悪いことではないし、そうした善意は尊重される権利がある。
でも、「優しくしてあげた」というふうに自然と向き合う姿勢は、少なくとも私は持ち合わせていない。人間にそれは無理だとおもうのである。
2004年07月20日(火) 現代人にウサギと亀はつくれるか その2
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