2005年07月19日(火) |
ドキュメンタリーの光と影 |
研修で一汗かく。もちろん冷や汗だ。
宿泊先の部屋で久しぶりにテレビをみる。 日経新聞社提供の「エアバス社とボーイング社の日本における攻防」のような番組。テレビ業界は、どうやら「プロジェクトX」でビジネスドキュメンタリー番組に味をしめたのだろう。
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あのNHK番組の時から違和感を感じていたがはっきり確信できなかったのは、「過去の偉業」という霞がかかっていたからだろう。
物事には二面性がある。そして、企業の目的は利益追求にある。
どんな素晴らしい社会貢献であっても、技術者が個人として社会的使命を感じていたとしても、それらは利益追求の延長線上にあるものだという客観性を、テレビ番組は曖昧にする。 たとえば、安全性や環境や健康への影響やなんかは全く検証されずに扱われる。
だから私は、飛行機を何体売るかに心血を注ぐビジネスマンに感動もしないし、黒部ダムを建設した土木技術者を手放しで立派とも思わない。なんでそんなひとつの企業の社史みたいな番組を、公共性のある電波でもって何度も何度もこれ見よがしに放映するのだろうか。
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そんな、飛行機をバンバン売りさばこうという話を観ていて、ファクターテンを推奨し、「飛行機で海外旅行などもってのほか」と環境問題の深刻さを説き続けている山本良一先生を思い出した。彼の先生がこの番組を見たらまた一層、地球の未来についての悲観論に力が入ってしまうのだろう。
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