浅間日記

2005年01月05日(水) 人生の成長曲線

子どもの学力が低下していることが確認されたので、
今後は、授業時間を増やすために2学期制を導入する学校が
増えるのではないか、という文部科学省の見解。

多分、これからの教育水準というものは家庭の所得に比例するだろう、と
私は思っている。
実際、子どもを東大へ入れた家庭の平均所得は、全体の平均をかなり上回っているらしい。



明治から戦前までの義務教育について定めた「小学校令」をみると、
義務教育とされているのは、小学校のうち尋常小学科に該当する、
たった4年間である。
その教育目的も、「児童身体ノ発達ニ留意シテ道徳教育及国民教育ノ基礎並其生活ニ必須ナル普通ノ知識技能ヲ授クル」
と、極めてシンプルである。

そこから上に進学するのは、それなりの所得のある家に限られていた。
人生の幸せも不幸も、教育に委ねられてはいなかったし、
おそらく人々は今の日本人よりも礼儀正しく、社会性を身につけていた。

明治時代の進学といえば、
井上靖の「しろばんば」という小説を思い出す。
もううろ覚えであるが、
伊豆のある村の、祖母と蔵で暮らす主人公の心の成長を描いた話で、井上靖の自伝的小説ともいわれている。
進学にまつわるくだりでは、仲良しの友人と違う道を歩む自分の
自立にむけた葛藤や決意が描かれていた、という気がする。


どんな道でもいいと思う。勉強してもしなくても。
ただ、自分の生き方を決心する年齢として、19や20歳では遅すぎるのだ。
人生が、芯腐れするんである。



 < 過去   INDEX  未来 >


ipa [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加