北東インドで爆破テロ。
ナガランド州って何処よ、Hのいるところは何州よ、と、 しばしネットを彷徨う。
インドであることが不自然なほどの場所に、ナガランド州はあった。 ネパールと、バングラディッシュの、そのまた東である。
分離独立を求める反政府組織による連続爆弾テロだと報道されている。
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分離独立を求める反政府組織。 組織の区分としては、昨今ではもう、目新しくもない。
誰が使いはじめた表現か知らないけれど、 「求めるが反している」というのは詳細を判断しかねる響きをもっている。 「反したことを求めている」というのとは違うようだ。 どちらかと言えば、「受け入れ難いことを求めている」、 と考えるのが妥当だろうか。
では誰にとって受け入れ難いのか、ということを突き詰めていくと、 そこに弱者と強者、マジョリティとマイノリティの関係が 浮き上がってくるのである。
イラク戦争を始めたブッシュ政権を、開戦を求める反平和組織、 とは、少なくとも公然とは、誰も言わない。
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今回事件のあったナガランド州やアッサム州などインド北東部というのは、 宗教も言語も文化も民族も、インドの中ではかなり特異であるところらしい。
国家というのは、大国であろうとすればするほど、 こういう国内のフリンジを大切にしたほうがいい。 発現していないDNAとして、いざという時には 国力の底力になるはずなのである。
またこういう国内の異分子地域は、国境部分に位置していることも多く、 それもまた重要だと思う。 文化や言語や習慣において、隣国と共感できるグレーゾーンが あるということは、何よりも平和の礎であり防護壁なのだ。
自然界に例えると、森の外縁部には、独特の種で構成され「ソデ・マント群落」といわれる植生がある。 これが森の外側とのバッファー的な役目を果たしていて、これがなくては森林内の環境や生態系は安定しない。
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Hのいるところはウッタラーンチャル州という、中国との国境部分であった。 それがどういう意味かよくわからないが、 ここで心配していても仕方ないので、情報収集はもうやめにすることにした。
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