地域の祭りの準備をする。 注連縄(しめなわ)を張るので、その間に挟む紙を折るように、と、 家主のKさんからのお達し。家主と言えば親も同然なので、ここは素直にチャレンジする。
大量に支給された奉書紙を机に積み、同じく支給された道具でとりかかる。 指定どおりの切り込みを入れて、指定されたように折る。 よく見慣れた、あのギザギザの折り紙ができあがる。 名前さえ知らなかったが「四手(しで)」、というのらしい。
自分の折った四手で、近所に注連縄が張り巡らされる。 全く都合のいいもので、自分で作ってみたそれは、何だか 清々とした現代アート作品に見える。いいではないか、などと感心してしまう。
しかし張り終わった30分後にそれは、 折からの雨でほとんど濡れ落ちてしまうのであった。
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