浅間日記

2004年09月23日(木) 気づいてしまう日

三歳の子どもにタバコの火を押し付けた、という虐待のニュース。

ラジオでアナウンサーが読み上げる言葉に、何?何?と、Aが反応する。
音量をさりげなく下げようとしたが、遮られる。真剣に聞いている。

「3歳の子どもがタバコの火を押し付けちゃったんだって」と語る。
Aの理解が追いつかなかったことに、ほっとする。
虐待という言葉も、今回はAの中を素通りしたようで、胸をなでおろす。

この頃のAは自分をとりまく世界がどうあるのかにすごく興味をもっていて、
たまに他所で見るテレビでは、ニュースに釘付けになる。
大人たちは何を話しているのか。それはどういう意味なのか。

イラクやロシアで人が死んでゆく映像に向って、これは何?と聞く。
適当にお茶を濁すと、すぐにばれ、ちゃんと説明せよという。

でも、戦争について説明するよりも、今回のこの虐待ニュースへの反応が、
自分には最もつらく、しんどい出来事だった。

言葉に窮し、しょぼくれていた私に気付き、
Aは話題を変えたり、歌などうたいだしたりする。
そしてそれがまた、私をなんだか悲しくさせるのであった。

次世代にこんな気遣いをさせて、大人として本当にすまなく思う。


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