浅間日記

2004年07月16日(金) ハイエンドライフの彼方

日帰り上京。

日銀短観が景況感はやや上向きと告げるも、メディアでは
景気の上昇気流にのれるのは全ての国民ではないだろう、という見方。
貧富の差が広がる社会のスタートだ。

書店を見れば、金儲けの本や人生の成功の本ばかりが
平積みになっている。
その一方で、裕福層を狙った女性誌では、
「贅沢」という言葉が台所の醤油のように多用され、
信じられないような金額の商品が並ぶ。

バブル経済とその崩壊を経て、
日本人は、豊かさというものを、少しは
金銭と引き離して考えるようになったかと思っていたが、
こういうものは相対的なもののようで、
景気の良し悪しにはあまり関係ないようである。

いつでも、どんな状況でも、
となりの花咲爺さんのポチが欲しいんである。


今日で退職。
給与所得者でなくなった自分は、もしかすると
Aに満足な教育を与えてやれないかもしれない。
自分がそう育ててもらったように、量と質において
恵まれた衣食住を、安定的に保障できないかもしれない。

新しい仕事の目処がつくまで、
これはこれで、結構な恐怖心を伴うのである。

でもしかし、だからといって、
「金持ちになる本」「儲かる本」を
手に取る気には全然なれない。
こういうときこそ、
普通に暮らせばよいのだ、普通に粛々と。


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