浅間日記

2004年06月14日(月) 三菱ブランドの夏大根

家主のKさんはもうリタイアされて長いらしいが、本当によく働く。
早朝の新聞配達に始まり、3つか4つある畑の仕事、
地域の神社の管理などなど、とにかくいつも身体を動かしている。

私達が住む借家のメンテナンスも仕事の一つらしく、
知らない間に屋根のペンキが塗りかえられていたり、
植木が剪定されていたり、端午の節句や正月の時は
お飾りが玄関に飾られていたりする。
まさに、店子といえば子も同然な状態として、
時々配給される野菜とともに、有り難く享受させていただいている。

今日のKさんは、夏大根の間引きをしたその足で、
我が家の床暖房のヒーターを、
−20年前のものが故障し、メーカーも私もすっかりあきらめていたのだが−
何度目かのトライでついに直してしまった。

Kさんは現役時代、三菱自動車系列の工場で整備士をしていたので、
仕事をするときはいつも、「MITSUBISHI」と文字の入った
年季もののつなぎを着ている。

マダムKに聞くところによると、Kさんは
洗濯機でも何でも、たいていの機械は自分で直してしまうのだそうだ。
あせらず、絶対にあきらめず、原因を突き止める姿勢に頭が下がる。

というわけで、私にとっての三菱ブランドは、どうあっても
Kさんのつなぎの背中にある「MITSUBISHI」であり、
あの忌まわしいリコール放置をした会社とは無関係に存在し得るのだった。

また、Kさんが手塩にかけた夏大根が大変美味であったことは
言うまでもない。


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