家の掃除と寝具の洗濯。 シーツやタオルケットを抱えて、 大型乾燥機のあるランドリーへ。 機会に洗濯物を放り込み、コインを数枚入れた後、 近くにある椅子に腰かけ本を読む。
傍らで、テレビが首相の訪朝のニュース。 家族を迎えるかもしれない拉致被害者の方々や タラップに立つ小泉首相。コメンテーターの解説。 家族構成を説明したパネル。
家ではテレビをみない、というかテレビがないので、 たまに外で映像を目にすると、 ずっと覆ったままだった目隠しが突然外されたような、 不思議な気分になる。 世の中はこういうふうに騒がれていたのか。
帰宅。 ラジオで、曽我ひとみさんのコメント。 「私達は4人で一つの単位です。」
家族は、自分にとって国家より何より優先すべき、 譲りがたいものだ、という揺るぎない意志を、 日本政府や北朝鮮、そして世界中に存在する 国家という単位に向かって訴える気迫。
こういう言葉は、映像や解説が伴わなくてもきちんと伝わる。
続いて、 米陸軍の軍曹が兵役拒否のニュース。 良心的兵役拒否、というのだそうだ。 そういえば村上春樹の海辺のカフカにも、 ロシア人脱走兵がでてきたことを思い出した。
なし崩しに自衛隊がイラクへ行き、やれ戦闘地域だの何だの 瑣末な詭弁ばかり聞く中で、 こういう、不合理な戦争に対する明快な反作用が ちゃんと存在していてよかった。 彼の兵役拒否者曰く、「イラクでの経験を背負って今後の人生を生きるよりも、 刑務所に入った方がマシだ」 エンピツ日記の投票ボタンがそこにあったなら、何票入るか見ものである。
個人として、腹をくくって不用な殺戮を回避した人には、 全世界からネット上で支持される時代だ。
個人や家族は、国家より尊く、優先されるべき単位であり、 そういう視点で平和や戦争への判断力を備えていたいものだ。
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