2004年05月21日(金) |
抽選12万名様に裁判体験 その2 |
裁判員法成立。 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律案、という法案名で、 今国会に提出されていた。
以前の日記で書いた不満と不安が全く解消されない。 人を裁きたくない人に裁判員を強制するのはどうか、とか 信条の理由で辞退できるようにするべきだという 議員の見解もみられたので、その辺は改善されるかと思ったが、 やはり強制参加やむなしになってしまった。
こうなったらもう、裁判員の職務につけないとされている 弁護士の資格でもなければ、人を裁くことを回避できそうにない。
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秘密漏洩罪になるので、裁判員は職務上知りえたことを 一切公表できないらしい。罰則は懲役半年又は50万円の罰金だ。
個人情報を漏らさないというのはもっともだし、 むしろ人の一生を左右するかもしれない情報の扱いに、 半年とか50万円などというチープなお値段をつけないでほしいと思う。
それとは別のところの疑問として、 裁判員となった人の直接体験が広く国民にシェアされなくては この制度運用の評価または改善は誰が判断するのだろう。 そういうことは考えなくていいから、というつもりなのか。
国民参加という言葉の下に、「させてやる」「いいからするのだ」 という不遜な態度が見える。
誰かが椅子から降りなければ空きはないのに、 そこにでんと居座ったまま手招きをする、 それが行政のいう、国民参加だ。
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条文を読めばよむほど、 「抽選12万名様に裁判体験あります」の誘いは、 「ロシアンルーレット告知」にみえてくるのだった。
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