ウグイスは朝のステージから退場したようだ。いつの間にか春ゼミが鳴いている。日差しが射すような質量をもつようになり、冬の間あれほど恨めしかった日陰が、徐々に安らぎの場所になってきた。そういう変化は、回り舞台がぐるっと変わるように、ある日突然訪れる。