Dynamite徒然草
Dynamite徒然草

2006年10月15日(日) 介護保険、その後。

今年4月に改正された介護保険法によって
これまで要介護1だった左半身マヒな私の父(齢70)は
先月行われた要介護認定で、めでたく要支援1になったわけですが
それによって日常の足であった電動セニアカーの介護保険での利用をうち切られる予定となっておりました。

要支援1ということは、痴呆もなく歩行もほぼ自立し身の回りのことは大凡自分でできると認めてもらったことなので、この認定自体はこれまでの父のリハビリの成果の賜と嬉しく思うわけです。

が、
マヒした左足に装具をつけ、固まった左腕とのバランスを取りながら、杖をついて歩行するのがいくら上手くなったからといっても、父は健常者ではないので安全な屋内ならばともかく、一歩外に出れば段差、歩行者、自転車、車との闘いです。のろのろ歩きでは横断歩道もあっという間にタイムアップ。坂道やちょっとした段差でも本人にはハードな障害物競走。町中を歩行するには命と肋骨がいくらあっても足りないってもんです。


そんなマヒ父が公園へ歩行のリハビリに出かける際や、病院へ行く際、日常の足となってくれていたセニアカーを、この度の法改正で「要支援1になったから使用禁止」の通達ひとつで突然の貸しはがしです。

(※車いすやセニアカーは要介護2以上、つまり立ち上がりや歩行などが自力では困難で排泄や入浴に介助が必要な人や、寝たきり状態の人にしか介護保険では利用できないようになりました)

お国が決めてしまったセニアカーの利用打ち切り。私も決まったことは致し方ないとして覚悟をしておりましたが、それでもやはり納得できないわけですよ。たしかに歩行ができる要支援の人にセニアカーを貸すのはどうかと思います。スタスタ歩けるくせして乗ってる年寄りもいますよ。そういう人には無駄な貸与と思います。自分で歩けよ!って感じです。

だけど父の場合は障害者。左半身が動かない人が65歳から5年かけて取り組んだ必死の訓練でようやくここまで動けるようになったんですて。セニアカーで起伏や段差のない遊歩道のある公園まで毎日行って、一日何時間もかけて3キロ歩いて汗だくになって帰ってきて、ようやくここまで筋肉も戻ってゆっくりながらも歩行できるようなってきたわけですから。その公園までの道程に利用する為の足を奪うことと、歩けるのに歩かない怠け者の為の足を奪うのとでは、全く事情が違うことが理解してもらえないんでしょうか?


私が何度説明しても説明しても「お気持ちはわかりますが...」の言葉だけで、ケアマネージャーも役所の窓口の人も「国で決まったことなので仕方有りません」の一点張り。ですが私は納得いかないわけですよ。法律ではこう決まったからといって全てを十把一絡げにして欲しくないわけです。納得できないならとことん納得できるまで訴えたっていいわけですよね?

てなわけで認定後、介護保険証を届けてくれた保険組合の方にもう一度実情を説明し、別に私は認定自体に全く異論はないが、この一点だけがどうしても納得できないがどうしたらいいか、どんな手だてがあるかということを食い下がって聞きました。

すると
「ご事情はわかりました。面倒だとは思いますがもう一度、この保険証を持って役場の窓口に行って特例の申請を頼んでみませんか?」
と言うではありませんか。

「どうにかなりますか?」
「断言はできませんが、申請してみないとわかりません。他の自治体でも特例申請して認められたケースがありますので」


この一筋の光明を頼りに早速行きましたよ、役場へ。


窓口で再び事情を説明し(介護認定前にも同じ窓口で同じ話はしていたし、相談もしていたので事実上これで2度目。これが役場クオリティ)、後から顔を出した人にも同じ話を繰り返して聞かせ(これも毎度よくある話。さすが役場、期待を裏切らない)特例の申請をしたわけですが、ここでも窓口の方は「申請してみることはしてみますが、既に決まったことなので認められないかもしれませんが、そのときは申し訳有りませんが...」と、まずはお断りがセットになって出てくるのも役場ならでは。

いいんですよ、私は父のような事情もある人がいるんだから「こう決まったから仕方がない」なんていう十把一絡げの法律の枠にはめ込むのは理解不能だという点を訴えたいだけなんですから。もちろんダメだったら自腹で買うつもりですよ。買えるけど介護保険はセニアカーのレンタル以外全く利用していない父にとって、介護保険と何ぞや?ということになるということを意見させていただいてるわけなんですから。


ハッキリキッパリ言わせていただきました。


さあ
それから数週間後
再度面接調査を行いたいという連絡が入りました。

介護保険組合の方と役場の担当者さんが我が家にやってきて父と面接。
それから再度面接があり
ようやく要支援1でのセニアカーの貸与という特例が認められたわけです。


・・・やっとの思いで手に入れた特例。
この決定を知ったケアマネージャーさんが言いました。

「役所って、言ったもん勝ちみたいなとこありますね...」


けっ!

言わずに黙ってヘコんでるのが代表的日本人でしょうが
私は行動ありきの人間です。


言ったもん勝ち上等!!!


というわけで
大日本言ったもん勝ち連合の結成をここに宣言します!←すんなって


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書いてる人 : Dynamiteおかん