実家から戻って妹に甥っ子を手渡したらすぐに帰ろうと思っていたが、予定が変わって、妹の所に1泊する事になった。 甥っ子はおかあさんにベッタリだが、母親である妹の方は仕事を持ち帰っており、PCに向かったまま。 構って貰えない甥っ子が不憫だが、妹が大変なのも理解出来るので、乳母車で散歩に連れ出した。 天気の良い日で、同じく散歩中の他の親子と擦れ違ったが、甥っ子より小さなよちよち歩きの子供は自分の足で歩いていたので、一寸恥ずかしくなった。 お前も歩こうか……と言ってみたが、乗り物大好きな甥っ子は全然気にしない。 機嫌良く、ずーっとお歌を歌っていた。
♪いーち、にーい、さーん (歌詞不明) バ、バ、バーン!♪
飽きもせず、これをずーっと繰り返している。 何のお歌?と訊いてみたかったが、邪魔するのも悪いし、何より見ていて面白かったのでそっとしておいた。 途中で「バ、バ、バーン」が1つ増えて、「バ、バ、バ、バーン」に変わったので、次にどう変化するかも楽しみだったのだが、その前にアパートに帰り着いてしまった。 嫌だまだお散歩するの!と泣き叫んで抵抗する甥っ子を、もうお昼だからねーまたねーと抱きかかえて玄関に入れて妹に訊いてみたら、アンパンマンではないかと言うが、後日「ねないこだれだ」だった事が判明。 あの本には123もバババーンも出て来ない筈だが……と思ったが、歌っているうちに自分の知っている言葉に摩り替わってしまったのではないか、という話であった。 面白かったので動画を撮っておけば良かったと後悔したが、次に会う時には同じようには歌ってくれないんだろうなあ。
そう言えば、最近はお風呂で抱きかかえて仰向けにすると嫌がるんだけど、頭を洗う時はどうしているの?と妹に訊いたら、 「立たせたままで洗ってるよ。泡で洗ってから、ハイ目を瞑ってねーって言って上からシャワーで洗い流してる」 えっそんな乱暴な……泣かないの? 「泣くよ。一寸泣くけど、ハイよく出来ましたーってすぐに顔を拭いてやれば大丈夫だから。だってもう重いし、横に抱きかかえられるサイズじゃないんだもん。これが一番楽だよ」 永い事シャンプーハットから卒業出来なかった私からすると、驚きの扱いである。 そうか、そんなんでいいのか……強いな甥っ子。
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