天上天下唯我独尊

2016年08月30日(火) 台風10号

朝から暴風雨だった。そして湿気も酷かった。まさに台風の時の天気である。
エアコンをつけて室内干しにしたが、洗濯物が明日までに乾くかどうか。前日におもらしで着替えをしたので、甥っ子のズボンの替えがもう無いのだ。
保育園では食事の際に子供本人にスプーンを握らせているようだが(だから毎日服に御飯粒やら食べ物の汚れが付着しているのか!)、当然家ではそんな事はしない。育児書に何と書いてあろうと、しない。
余計な仕事が増えるなんて、真っ平御免である。零したら誰が片付けると思っているんだ!

いつも保育園では、正午前に昼食が終わって、その後すぐにお昼寝タイムらしい。
なので正午を過ぎると眠くなる甥っ子。お昼ご飯の前にウトウトし始めたので、慌てて母に素麺を茹でて貰い、甥っ子の口に突っ込んだ。
少し食べたところで寝てしまったので、そのままお昼寝させる。
お昼寝の後は、甥っ子とお出かけ。
本当は妹と甥っ子が行く筈だったのだが、台風のせいで妹が来られず、私が代理で行く事になったのだ。
外出先で携帯電話が鳴ったので、見ると主人からであった。しかし今は一寸電話に出られないので保留に。
用事が終わってから見てみると、午前中にメールも来ていた。具合が悪いから仕事を休んで病院に行くと言う。という事は、さっきの電話は家で寝ているという事だったのか。
帰りのタクシーを待つ間、折り返しの電話をかけてみたが、出ない。携帯電話を居間に置いて、寝室で寝ているのかな。そう思った。
まあ用があったらまた電話して来るだろ。そう思って、帰宅して甥っ子と遊んでいると、夕方、携帯電話が鳴った。
しかし主人からではなかった。なんと相手は救急隊。
主人が、自宅から救急車で運ばれたという。
自分で救急車を呼んだものの、自力で歩ける状態ではなく、隊員に運んで貰ったとか。
隊員さん達も気の毒に、重かっただろうなあ……と思っていると、今から病院に来て下さいと言う。
「いや、無理です」
と即答する私。だって、台風で電車も高速道路も使えないし。
だったら親戚とか、身内の方は?と訊かれたが、それも近場にはいないから無理だって。
明日でもいいですよね?と言うと、隊員の口調が段々非難めいたものになって来たが、こういう土着の人達には、転勤族の苦労なんてわかんねえんだろうなあと思った。
「まあ、行くにしても今日は無理ですね。交通手段が無いのでは、どうにもなりませんから」
と答える私は、彼には冷酷な妻に思えただろう。
というか、行ってどうすんだ? 着替えなどの入院準備と入院手続き位だろう、死にかけているなら兎も角……ひょっとして死にかけているのか?
流石の私も一寸心配になり、主人の携帯に電話してみたが、出ない。
搬送先の病院に電話してみたが、患者の様態については教えられないという。まあそりゃそうだろうな。
取り敢えず、生きているのかいないのか、生きているなら死にそうなのかどうかだけでも教えてくれと言ったら、本人に伝えておきますという事だった。
危篤だったら「本人に伝える」は無い筈。命に別状は無いようだと判って、ひとまずホッとした。
「そういう訳で、私は明日帰るから。お母さんが来るまでいい子にしてるんだよ」
と甥っ子に言うと、置いて行かれるという事がわかったようで、夜になって寝るまで私にくっついて離れようとしなかった。
失敗したなあ。明朝は甥っ子が目を覚ます前に家を出ようと思った。


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