作曲家・佐村河内守のゴースト・ライターだという男性が記者会見を開くというので、今日の私は午後のワイドショーに間に合うように買い物を済ませて、14時にはTVの前で待機していた。 会見は14時半から16時までで、残念ながらテレビ中継は途中で打ち切られてしまったものの、ニコニコ動画で見られるとの情報を得たので、続きはウェブで。
「私も共犯者です」という謝罪で始まった会見は、影武者だった新垣隆氏が、2人の馴れ初め(?)から、軽い気持ちで引き受けたものの佐村河内の名が売れるに連れて増す悔恨や苦悩を経て、この告白に至るまでを独白した後、記者による質疑応答を受け付ける形のものであった。 よくある話でどうせ分け前で揉めたのだろうと思って見始めたのだが、明らかにマスコミ慣れしていない新垣氏が、緊張しながらも慎重に言葉を選びつつ、しかし誠実に答える様子には、見ていて好感を覚えた。 佐村河内名義の曲を選んだフィギュア・スケートの高橋選手に、五輪という大舞台において偽りの曲で滑って欲しくないというのが告白の動機だと言っていたが、本当にそれだけなのだろうか。 何か割り切れないものを感じていたが、会見を最後の最後まで見たところでやっと腑に落ちた。これだったのかと。 新垣氏の口からは語られなかったが、今回の騒動を世間に公表したライターが最後に付け加えた話からすると、自分の曲を弾かせてデビューさせ(ようとし)た義手の少女に対して、調子に乗った佐村河内が絶対服従を前提に無理な要求を突きつけていたらしい。 ネット上の一説では、自分のお蔭で有名になったのだからと、少女の親に金を要求したのだという事だが、 「娘は深く心に傷を負い、5年もの間気付いてやれなかったと、親として後悔の念に苛まれております」 というコメントから察するに、果たして要求されたのは金だけであったのだろうかと、いやいや下衆の勘繰りは止めておこう。
このタイミングで告白するなんて酷い!高橋選手になんて事を!と憤るフィギュア・ファンや、どうせ売名行為なんでしょと意地悪な見方をする人もいるようだが、この会見を見れば、そうではない事が判ると思う。 仮令義手の少女を守るためとは言え、その話を伏せては、今回の稲垣氏の決断は正しく伝わらない。 TVは正しく伝えてくれないものだと、改めて思った。 酷いのは、TVだけではなく新聞もか。 質疑応答における記者連中のマナーの悪さと来たら。 質問は1人1つと釘を刺されたのに拘らず、纏めて複数の質問をする奴、10人もの記者で襷リレーのように次々に質問する人海戦術の朝日新聞、挙句に新垣氏の個人情報について質問する奴。 新垣氏も人が好いのか、真面目に生年月日とか答えちゃってるし。そこは司会進行役がきっちりガードしろよ。素人かよ。甘いよ! ジリジリして、私が進行役をやりたかったとすら思った。 私も素人なんだけれどね。
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