天上天下唯我独尊

2012年01月25日(水) 大阪の項羽

大阪市音楽団と言えば、吹奏楽コンクールの課題曲の音源としてもお馴染み、あの佼成ウィンドオーケストラと並ぶ名門楽団である。
そして、日本で唯一の公務員吹奏楽団である。

大阪市、公務員、と来たら当然、それは橋下市長の公費削減の対象となる。
府知事時代にも大鉈を振るい、文化芸術部門への補助金を次々にカットした橋下さんは、大阪市長になったら当然のように市音も切る気満々である。
橋本市長には明確な信念があるらしい。何を言われようともぶれない。
それはそれで凄いが、不幸な事にこの人は、文化や芸術に対する思い入れが全く無いようだ。
大阪では文化は根こそぎ引っこ抜かれて、芸術なんて根付かなくなっちゃうんだろうな。
昔から商人の町と言われていたように、大阪ではお金が全てなんだろうな。
それが大阪の選択ならそれでいいけれど、文化や歴史、芸術というのは、永い時間をかけて作られたものである。
由緒あるものまで一瞬で無くしてしまうなんて、その選択は本当に正しいのだろうか。
教養の無い貧乏人が権力を握ると、こうなるのか。残念な事である。

嘗て項羽は王の宮殿(阿房宮だか咸陽宮だか)を焼き、その火は3箇月も燃え続けたと言う。
そしてそれを諌めた者を処刑し、その人は「ものの価値のわからぬ者は、人間ではない」と項羽を責めながら死んで行ったとか。
橋下改革のニュースを聞いて、そんな話を思い出した。


 < 過去  INDEX  未来 >


春 紫苑 [MAIL]

My追加