天上天下唯我独尊

2011年06月12日(日) 佐渡裕指揮ベルリン・フィル

指揮者の佐渡裕がベルリン・フィルを振った話。
NHK−BSで夜中の放送だったので、録画して見た。
というか、我が家的にはサイモン・ラトル指揮の「交響的舞曲」がメインだったのだが。
(ベルリン・フィルの演奏会を、佐渡さん→ラトルで放送していたのだが、何故か1つの番組として扱われていたので、一緒に録画されていたのだった)

佐渡さんが指揮した曲は、武満徹「フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム」と、ショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調作品47」。
武満は昨年、別の曲を生で聴いたが、私にとって現代曲は苦行だとつくづく思った。
主人は楽しんで聴いていたけれど。この人の嗜好は全く不思議だ。
仕方が無いので、私は観て楽しむしかなかった。
打楽器のソリスト達が色違いのジャケットを着ていたけれど、あれはドレスコードが指定されているらしい。
5人で5色だったがオリンピック・カラーではなかったので、どうやら五行思想から来ていると思われる。
日本人が振るから、是非日本人作曲家の作品を!という事だったのだろうが、正直私には何が楽しいのか判らなかった。
あれって、奏者もやってて楽しいんだろうか。
聴衆も、お金払ってコレか……とがっかりしないのだろうか。
TVに映り込んでいた客席のおっちゃんも、大欠伸してつまんなそうだったし。(そのおっちゃんは拍手すらしなかった。やはりつまらなかったのだろうな)
続くショスタコ5番は、何度か聴いて幾らか耳に馴染んでいた事もあり、現代曲苦手な私でも大丈夫だったけれど、武満は私のレベルでは理解出来ない。
元は邦楽畑だったのに、独学で作曲家になったという凄い人ではあるのだけれど。

さて佐渡さん。
個人的には、ジャンプする指揮者は駄目。顔芸する指揮者も好かない。
ジャンプと言えば山本直純。「のだめ」でアリキリの人が真似ていたけれど、リアルで、しかも大柄な人が跳んだらいけないと思う。
汗がダラダラし過ぎて、見栄えも宜しくないし。体質だから、言っても仕方無い事だけれど。
タオルかハンカチで拭いたらいいのに、と私が言うと、
「それが許されるのはネルロ・サンティだけだ」
と主人。確かに見たけれどね、以前のN響アワーで。
しかも棒を止めて、徐にハンカチ出して顔を拭っていた。
演奏は止まらなかったけれど、あれにはN響メンバーも弾きながら苦笑いしていたな。
サンティぐらいの大御所になったら何でも許されるのだろうが、中堅の客演指揮者には無理か。
肝心の演奏が良かったのかどうか、私には判らない。あの曲目で判れと言う方が無理だし(笑)。
名門オケだから、どんな指揮者でもそれなりの演奏をするのだろうし、メンバーがこの人とまたやりたいと思うかどうかで決まるのだから。
佐渡さん指揮の演奏会が終わって、何やら会場は盛り上がっていたけれど、そういう訳で、2度と呼ばれない客演指揮者もいる。
彼が再びベルリン・フィルを振る事はあるのだろうか。

武満とショスタコを経て、音楽がラフマニノフの交響的舞曲になった時、とてもホッとした。
やっぱり音楽は、美しくなくちゃ。
うちの主人に言わせると、武満作品はあれはあれで美しいらしいのだが。
ラフマニノフの次はマーラーの「巨人」だったが、勿論聴かずに消した(苦笑)。
マーラーはもう懲り懲りだよ……。


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