津波で流された趣味仲間が、遺体で発見された。 近々お葬式があるので、一寸遠いけれど、交通機関も回復したし、他のお仲間と一緒に行こうと思う。 最後のお別れだもん。
なんかなー、まだ信じられない。 いや、本当の事だとは判っているけれど、まさかと言う感じ。 もっと色々な話をしたかったのに、聞きたかったのに、もう叶わないのか。 私に出来る事は無かったのだろうかと思うが、無かったんだろうな。 あるとすれば、もっとちゃんと連絡を取っておく事か。 友達関係は大事にしようと思った。 幸い私の友達は数が少ないので、大事にし易い。
そして現実。 喪服はある。多分入る。 半袖だが、セットの上着を脱がなければ、ババシャツは見えなくなる。 手提げ鞄もあった。ただ、小振りで財布と携帯ぐらいしか入らないので、マイバッグのような予備袋を持って行こう。 しかし靴が無い。幾ら探しても無い。 数年前に身内の葬式の時には履いていた筈。どこにやった。 記憶を掘り出す。マリ・クレールの箱に入っていた。 そうだ、あの箱は無い。 靴の寸法は表示上合っているのに、私の足には小さかったから、1年前の引越しの時に、服等と一緒に段ボール箱に詰めて、リサイクル店に持ち込んで処分したのだ。 黒い靴はあったが、金具が付いている。ネットで調べたところ、金具類はNGらしいので、これは履いて行けない。
買うしかないか……!(断腸)
そういや春用コートも持っていなかった。 作るにしても、丁度良い布も時間も無い。 黒いコートも、序でに買って来るか。
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