往きは高速だったので、復路は主人に譲って下道を行く事にした。 なので、午前中に実家を後にして、峠の蕎麦屋でお昼にした。 割と美味しい。これは当たりだった。 昔この辺に美味しいお団子やさんがあった筈……という主人の記憶を頼りに寄り道をして、お団子を買ったり、道の駅でソフト・クリームを食べたり、時間をかけて帰宅した。 私だったら、過去の自分と最短時間を競うように、とっとと高速で帰るのだが、主人はこういうのが楽しくて、好きらしい。 いいよいいよ、今日は私が譲歩したのだから、急ぐ用もないし。
主人は道の駅に寄ると、必ずソフトを食べたがるのだ。子供か。 「ソフト幾つ買う?」 これは、私の分も買ってくれるというのではなく、主人がまるまる1つ独り占めしたいという意味である。 しかし私は、道の駅に寄る度、ソフトを1つずつ食べてはいられない。お腹が痛くなってしまう。 なので返事は決まっている。 「1つでいいよ。2人で半分こしようね」 主人は不満げだ。 「シオンが1人で1つ食べられなかったら、その分食べてあげるのに」 うん、でもそうすると、貴方は1つ以上食べる事になるでしょ、そんなに食べるとぽんぽ痛くなるから半分こにしましょうね、と言って聞かせて、主人も渋々従うのであった。
お金も時間もかかるが、高速だともっとお金はかかるのか。 そして連休なので、この日は上りも下りも渋滞していたらしい。 下道で正解だった訳だ。
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