里帰りして、妹と買い物に行った。
妹の仕事は忙しい。 休みが少なく、夜の夜中まで仕事をする事も珍しくない。 今回も普通なら連休だというのに、 「1日と2日、連続で休みを取れたよ!」 と。 連休じゃなくても普通に土日は休みなんじゃ……お前、騙されてるだろ。
その代わり、沢山稼いでいるようで、一緒に行ったお店では、あれもこれもと沢山の服をお買い上げ。 単価の高いお店なのに、十何万も買うなんて、何と言うお大尽。 数年前までは、洋裁が趣味の私の失敗作を喜んで着ていた貧乏学生だったのに……。 一方私は、厳選の上に厳選を重ねて、2着だけ買った。 一寸いいかなーと思っても、 「これだったら、あの型紙をアレンジして、作れない事も無いな」 と考えて、自分では到底作れそうに無い物を買う……つもりだったが、1着は可愛くてどうしても欲しかったので買ってしまった。 自分では作れそうに無いカーディガンは、とても目の細かい薄手の素材。 妹は、お姉ちゃんよく似合う〜と言いつつも、 「でもお姉ちゃん、すぐにその辺に引っ掛けて、ムキー!て言いそうだよね。なんか、その情景が見えた」 としっかり落とすのも忘れない。 うん、それはお姉ちゃんも危惧しているよ……気を付けて着ないとな。
戦利品を抱えてホクホクしながら、帰りにスーパーに寄った。 頼まれた買い物をしていると、妹が 「お姉ちゃん、見て。あそこに凄い人がいるよ……!」 と小声で言って来た。 凄い人って何だ?と思って、妹の視線の先を探すと、そこには何と、
頭にカーラーを巻いたままの おばちゃんが!
勿論(?)、エプロン姿だ。 「い、いつの時代の人よ……随分、昭和テイストだな」 「リアルサザエさんって感じだね……まさか本当にいるとは」 2人とも、この地に永く住んでいたが、こんな人を見たのは初めてだったため、とても吃驚してしまったのであった。 帰宅して、 「ねーねー、そこのスーパーでね……」 と親に報告したのは言うまでもない。 昼寝したまま取り忘れたという感じでもなかったのだが、一体あの人はどうしてあのまま出かけてしまったのだろう。
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