天上天下唯我独尊

2010年04月26日(月) このミステリーが凄い?

病院やら何やらで、未だ週に1度は遠出をしなければならない私。
移動手段は車の時もあるが、通院以外の時はお金の事情もあって、電車も使う。
これまでずっと車生活だったから、電車に揺られるなんて久し振りだ。
ただ、特急料金が生じない鈍行だと、時間がかかる。
本が無いと退屈で仕様が無いので、文庫本を鞄に入れている。
これまたお金の事情で、基本的に本を買うのはブックオフ!と決めているのだが、先日主人と買い物に行った際に、帯に釣られて新品の本を買ってしまった。

「第7回このミス大賞受賞作」

このミスとは、「このミステリーがすごい」の略で、そういう賞があるらしい。
で、その第7回受賞作が、柚月裕子著「臨床真理」だそうで。
文庫本を買ったので、上下巻で1,000円近くした。
正直、中古本で良かったかな……という感じであった。
そして、本当にこのミス大賞受賞作?と。
最初の場面で、この私でさえ事件の大体のあらましが判ったというのに、何でー?どうして気付かないのー?と鈍い主人公に苛々。
ラスボス登場にしても、下巻の最初の事件で嗚呼こいつが犯人かと判ったのに、頭悪いのー?と主人公に苛々。
主人公にも、その患者にも苛々する話であった。
大体、精神科に限らず医者も看護婦も、患者の事なんてそんな熱心に思っていないって(笑)。
なので、正義感を振り翳して、尚且つ一々自分の過去と重ね合わせる主人公には、全くリアリティを感じなかった。
兎に角、のめり込み過ぎ。他のスタッフだって、そんなのと一緒に仕事したくないだろうなあ。
警察だって、そんな警官がいたら、事件から外されるわよ。
最もあり得ないと思ったのは、単行本では削除されたらしい、知障に襲われた場面。
普通は、嫌悪感が先に立つものではないだろうか。あれで相手を哀れむなんて心の余裕、とてもじゃないが持てないだろう。
それと、女性心理士と男性患者の2人だけでの外出もあり得ないと思った。
相手は成人男性だよ? しかも暴れて他人に怪我を負わせた過去がある。
万一に備えて、屈強な看護士が最低でも1人、お供に付く筈。
色々と、突っ込みどころ満載の話であった。
ただ、読み易い事は読み易いかな。
一気に読めてしまうし、強姦場面もあるので、そういうのが好きな人はどうぞ。
私は色々と無理だったけれど。
主人公に感情移入出来ない(笑)。


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